2026.09.30

《2026年版》Googleショッピング広告とは?概要や運用のコツを解説

《2026年版》Googleショッピング広告とは?概要や運用のコツを解説

「ECサイトの集客にショッピング広告が良いと聞いたが、仕組みがよく分からない」
「配信はしているが、どこを改善すればいいのか分からない」
——EC事業を営む事業者の方から、よくいただくご相談です。

結論から言うと、Googleショッピング広告は初期費用・最低出稿額なしのクリック課金で、数千円〜数万円の少額からでも反応を確かめられる、EC事業者にとって優先度の高い広告です。そして成果を左右するのは、一貫して「商品フィード」の品質——この記事を読み終える頃には、その意味と改善の道筋がつかめるはずです。

この記事では、ショッピング広告の仕組みと始め方をゼロから整理したうえで、「どの指標が悪いときに、どの施策を打てばよいか」を逆引きできる形で運用の実務を解説します。つまずきやすい不承認エラーの対処法、AI関連の最新アップデートまで、この1本で全体像がつかめる構成です。

※本記事は、広告運用の現場の視点から執筆しています。

Googleショッピング広告とは

Googleショッピング広告とは、Google検索の結果画面などに、商品画像・商品名・価格・店舗名をセットで表示できる広告です。テキストのみの検索広告と違い、ユーザーはクリックする前に「どんな商品が、いくらで売っているか」を目で確認できます。

Google検索結果の最上部に商品画像と価格つきで表示されたショッピング広告の例

主な掲載面は以下のとおりです。検索結果だけでなく、Googleの各種サービスに幅広く表示されます。

  • Google検索「すべて」タブ(最上部または下部の広告枠)
  • Google検索「ショッピング」タブ(=Googleショッピング。商品検索の専用画面で、「スポンサー商品」枠として掲載)
  • Google検索「画像」タブ
  • Google検索パートナーサイト(設定でオン・オフ可能)
  • YouTube・Gmail・Discoverを含むGoogleディスプレイネットワーク(キャンペーン設定による)

無料の掲載枠「無料リスティング」との違い

ショッピング枠には、広告費のかからない「無料リスティング(無料商品リスティング)」という掲載枠もあります。Merchant Centerに商品データを登録すれば、ショッピングタブなどに無料で商品を表示できる仕組みです。

※ここでいう「無料リスティング」は、Merchant Centerの商品データでショッピング枠に無料掲載できる仕組みの名称で、検索連動型広告(リスティング広告)とは別のものです。

ただし、無料リスティングは有料のショッピング広告より下部に表示され、露出量も限定的です。位置づけとしては「商品フィードを作ったらまず無料枠で掲載を確保し、売上を伸ばしたい商品は有料のショッピング広告で露出を上乗せする」という併用が基本になります。商品フィードは共通で使えるため、ショッピング広告を始める準備がそのまま無料リスティングの準備にもなります。

Googleショッピングタブにおける有料のショッピング広告と無料リスティングの表示位置の違い

ショッピング広告が表示される仕組み

ショッピング広告の大きな特徴は、配信キーワードを設定しないことです。検索広告では「このキーワードに入札する」と広告主が指定しますが、ショッピング広告では、Googleがユーザーの検索語句と商品情報を照合し、関連性が高いと判断した商品を広告オークション(掲載枠を広告主同士で競り合う仕組み)にかけます。

この照合の材料になるのが「商品フィード」です。商品フィードとは、自社の商品データ(商品名・価格・画像URL・在庫状況など)を、Googleが指定するフォーマットに変換した商品リストのこと。配信までの流れは次のようになります。

  1. ECサイトの商品データを、Google指定の形式の商品フィードに変換する
  2. 商品フィードをGoogle Merchant Centerに登録し、審査を受ける
  3. Merchant CenterとGoogle広告アカウントを連携する
  4. Google広告でショッピングキャンペーンを作成し、配信する

Googleショッピング広告が配信されるまでの仕組み。商品フィードをMerchant Centerに登録しGoogle広告と連携する流れ

つまり、どの検索語句に表示されるかは商品フィードの情報の質で決まるということです。検索広告の運用が配信キーワードと広告文で決まるとすれば、ショッピング広告の運用は商品フィードで決まります。この前提が、後半で解説する改善施策のすべてにつながってきます。

ショッピング広告のメリット・デメリット

メリット1:検索結果の最上部に、画像つきで表示される

ショッピング広告は多くの場合、検索結果の最上部に表示されます。スマートフォンでは画面の大部分をショッピング広告が占めることも珍しくなく、視認性は広告メニューの中でも際立っています。画像・価格・レビューまで見たうえでクリックされるため、流入するユーザーの購入意欲も高くなりやすいのが特徴です。

メリット2:クリック単価が検索広告より安い傾向がある

ショッピング広告のクリック単価(CPC)は、同じ商材の検索広告と比べて安く収まるケースが多く見られます。出稿には商品フィードの整備が必要で参入のハードルがあること、表示枠そのものが豊富にあることなどから、検索広告ほど入札競争が過熱しにくい構造になっているためです。ただし商材やシーズンによって変動するため、あくまで「傾向」として捉えてください。

メリット3:キーワード設定が不要で、拾える検索語句の幅が広い

検索広告では登録した配信キーワードの範囲しか広告が出ませんが、ショッピング広告は商品情報に基づいてGoogleが表示先を判断するため、広告主が想定していなかった、検索数は少ないが具体的な検索語句(ロングテール)まで自動的にカバーできます。検索広告で取りこぼしている検索需要の受け皿としても機能します。

メリット4:商品ページへ直接誘導できる

広告のリンク先は商品詳細ページです。トップページやカテゴリページを経由せず、「見た商品をそのまま買える」導線になるため、コンバージョンまでの離脱ポイントが少なくなりやすいのも利点です。

デメリット1:商品フィードの作成・維持に手間がかかる

最初のハードルは商品フィードの用意です。商品点数が多いほど、担当者がデータの整形・必須項目の埋め込みにかける作業時間が必要になります。また商品データには有効期限(30日)があり、価格や在庫がサイトと食い違うと不承認になるため、作って終わりではなく、更新し続ける仕組みが必要です。Shopifyなどのカートシステムの連携機能や、フィード管理ツールの活用も選択肢になります。

デメリット2:キーワード単位の細かい入札コントロールができない

どの検索語句に表示するかはGoogle側が決めるため、「この検索語句だけ入札を強めたい」という検索広告的な調整はできません。表示させたくない語句を除外キーワードで抑制する(通常のショッピングキャンペーンの場合)、商品グループを分けて商品単位で入札を変える、といった間接的なコントロールが中心になります。

ショッピング広告の費用と課金の仕組み

ショッピング広告の課金方式は検索広告と同じクリック課金(CPC)です。表示されるだけでは費用は発生せず、ユーザーが広告をクリックしてサイトに訪問した時点で課金されます。出稿自体に初期費用や最低出稿額はありません。

予算の考え方も検索広告と同様で、日予算をキャンペーンに設定してコントロールします。少額からのテスト配信も可能なので、「まず数千円〜数万円で反応を見る→売れる商品カテゴリが見えたら予算を寄せる」という始め方が現実的です。

運用現場からの補足
ショッピング広告の費用対効果は、CPA(顧客獲得単価)だけでなくROAS(広告費用対効果=売上÷広告費)で見るのが基本です。単価1,000円の商品と3万円の商品では、同じCPAでも採算がまったく違うためです。コンバージョン値(購入金額)を計測できる設定を最初に済ませておくと、後の入札戦略の選択肢が広がります。
「広告費をいくらに設定すべきか」を数字で決めるために必要になるのが、成果1件にかけられる上限額の基準です。計算式と具体例をまとめた資料をご用意しています。記事の後半でご案内します。

ショッピング広告の始め方5ステップ

ここからは実際の開始手順です。現在のMerchant Centerは新しい管理画面(Merchant Center Next)が標準になっており、以前より初期設定が簡素化されています。移行前の画面をもとにした解説情報もあるため、画面が違う場合は名称の対応を確認しながら、以下の流れで進めてください。

ステップ1:Google Merchant Centerのアカウントを開設する

Googleアカウントを使ってMerchant Centerにサインアップし、ビジネス名やウェブサイトURLなどの基本情報を登録します。あわせて、サイトの所有権の確認(ウェブサイトの申し立て)を行います。オンラインストアの管理画面連携、HTMLタグの設置、Googleアナリティクス / Googleタグマネージャーのアカウントを使った確認などの方法があります。

ステップ2:ビジネス情報・配送・返品の設定を整える

送料と配送日数、返品ポリシー、連絡先などの情報を設定します。地味な工程ですが、サイト上に返品条件や連絡先が明記されていないと審査に通らないことがあるため、Merchant Centerの設定とサイト側の記載をセットで整えるのがポイントです。

ステップ3:商品フィードを作成・登録する

商品データをMerchant Centerに送信します。主な方法は3つです。

  • カートシステム連携——Shopifyなどの対応カートなら、アプリ・連携機能で自動送信できる。更新も自動化されるため優先的に検討したい
  • ファイルアップロード——Googleスプレッドシートやタブ区切りテキストで作成してアップロードする。商品数が少なければ現実的
  • フィード管理ツール——商品数が多い、複数の広告媒体に配信したい場合の選択肢

商品フィードには必須属性があります。id(商品ID)、title(商品名)、link(商品ページURL)、image_link(画像URL)、price(税込価格)、description(商品説明)、availability(在庫状況)などが基本で、アパレルの場合はサイズ・色・性別・年齢層も必須です(出典:Google Merchant Center ヘルプ「商品データ仕様」)。詳しくは次章の不承認対処で解説します。

Google Merchant Centerで商品フィードを登録する画面

商品画像の要件が引き上げられます(2026年9月時点の更新情報)
商品画像(image_link)は、2027年1月31日からすべての商品で500×500ピクセル以上が必須になります。あわせてGoogleは、掲載パフォーマンスの観点から1,500×1,500ピクセル以上の画像を推奨しています(出典:Google Merchant Center ヘルプ「商品画像リンク [image_link]」)。小さめの商品画像を使っている場合は、期日前に差し替えの準備を進めておきましょう。

ステップ4:審査に通す

商品フィードの送信後、Googleの審査が行われます。フィードの形式チェックに加えて、サイト上の情報(価格・在庫・返品条件など)とフィードの内容に食い違いがないかが確認され、完了まで数日かかることがあります。一度承認された商品が数日後に不承認へ変わることもあるため、登録直後の1週間は診断画面をこまめに確認しましょう。

ステップ5:Google広告でキャンペーンを作成・配信する

Merchant CenterとGoogle広告アカウントをリンクし、Google広告側でキャンペーンを作成します。キャンペーンタイプは「ショッピングキャンペーン」または「P-MAXキャンペーン」を選択します(選び方は後述)。予算・入札戦略・配信地域を設定すれば配信開始です。

Google広告でショッピングキャンペーンを作成する画面

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ショッピング広告の予算設定・ROAS目標の置き方を考える際の土台としてご活用ください。

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よくある不承認理由と対処法

ショッピング広告の運用で多くの場合、最初にぶつかるのが「不承認」です。不承認の商品は広告に出ないため、放置した分だけ機会損失になります。Merchant Centerの診断(商品ステータス)画面で理由を確認し、原因別に対処しましょう。現場で遭遇頻度の高いものを対処法つきでまとめます。

Google Merchant Centerの診断画面で商品の不承認理由を確認する様子

値がありません:サイズ・色・性別・年齢層

原因アパレル商品で必須の4属性(size / color / gender / age_group)が未設定

対処法商品データ内の該当項目をフィードの各属性に紐づけ、再取り込みする。元データに項目がなければ追加する

価格の不一致

原因フィードの価格とサイト表示価格のズレ(税込・税抜の混在、セール反映漏れが典型)

対処法商品フィードは税込価格に統一。セール時はsale_price属性を使い、価格変更とフィード更新を同時に行う体制にする

在庫状況の不一致

原因売り切れ商品がフィード上「在庫あり」のまま

対処法商品フィードの自動更新(カート連携・定期取得)を設定し、更新頻度を上げる

画像のプロモーションオーバーレイ

原因商品画像に「送料無料」「20%OFF」などの文字・バッジが載っている

対処法文字要素のないクリーンな商品画像のURLに差し替えて再取り込み。Merchant Centerの画像自動改善機能で解消できる場合もある

商品データの有効期限切れ

原因商品フィードが30日以上更新されていない(内容に変更がなくても再送信が必要)

対処法フィードの定期自動取得をスケジュール設定し、手動更新をやめる

GTIN / 製品番号の誤り

原因JANコード(GTIN)の桁数誤りや別商品の番号を設定

対処法正しいGTINを設定。メーカー割り当てのGTINがない商品は、mpn(製品番号)とbrand(ブランド名)の属性で代替する

ショッピング広告ポリシー違反

原因掲載制限のある商材(酒類・ヘルスケア関連など)や掲載不可の商材

対処法制限付き商材は、正しいGoogle商品カテゴリと年齢層など指定の設定要件を満たす。掲載不可商材はフィードから除外する

サイト要件の不備

原因返品ポリシー・連絡先・決済情報がサイトに明記されていない

対処法特定商取引法ページや返品条件ページを整備し、フッター等から辿れるようにする

運用現場からの補足
不承認対応は「出たら直す」の後追いになりがちですが、実際に多いのは価格・在庫の不一致による定期的な再発です。原因の多くは「サイトの更新とフィードの更新が別オペレーションになっている」こと。個別の商品を直す前に、商品フィードが自動で最新化される仕組み(カート連携や定期取得)を整えるほうが、結果的に早く解決するケースが多くなります。

キャンペーンタイプの選び方|通常ショッピング / P-MAX / AI Max

2026年現在、ショッピング広告を配信するキャンペーンの選択肢は実質2つ+新機能1つです。かつて存在した「スマートショッピングキャンペーン」は2022年にP-MAXへ統合されたため、それ以前の情報では選択できるように書かれていることがあります。

通常のショッピングキャンペーン:コントロール重視

掲載面がショッピング枠中心で、商品グループごとの入札調整、除外キーワードの設定、検索語句レポートの確認など、運用者がコントロールできる範囲が広いのが特徴です。商品別の採算を細かく管理したい場合、配信初期にデータを見ながら調整したい場合に向きます。

P-MAXキャンペーン:配信面の広さと自動化重視

P-MAX(Performance Max)は、検索・ショッピング・ディスプレイ・YouTube・Gmail・Discover・マップまで、Googleのほぼ全掲載面に1つのキャンペーンで配信できるタイプです。機械学習が配信面・入札を自動最適化するため運用にかかる作業時間は少なく済みますが、検索語句や配信面別に分析できる情報が限られ、配信の中身が見えづらくなりやすいのが留意点です。

また、P-MAXは同じ商品を掲載している通常のショッピングキャンペーンより優先配信される仕様のため、併走させると既存キャンペーンの配信が縮小するケースが多くなります。並行運用する場合は、この挙動を織り込んで評価してください。P-MAXの全体像はEC事業者のためのP-MAX完全ガイドで詳しく解説しています。

AI Max:ショッピングキャンペーンにも拡大

2026年4月末、Googleは検索キャンペーン向けに提供してきた「AI Max」をショッピングキャンペーンにも拡大すると発表しました。商品フィードのデータを活用して、会話調の複雑な検索(例:「雨の日の通勤でも蒸れにくいレディーススニーカー」のような長文検索)に対しても動的にショッピング広告を表示できるようにする機能で、既存キャンペーンからワンクリックでアップグレードできます。発表時点ではP-MAXにも今後展開予定とされています。なお、執筆時点ではベータ版として順次展開中の段階で、アカウントによっては設定項目(キャンペーン設定内の「AI 最大化設定」)がまだ表示されません。また、中核機能であるテキストのカスタマイズは現在英語の商品フィードのみの対応のため、日本語フィードで運用している場合はまだ利用できない可能性が高い状況です(最新の提供状況はGoogle広告ヘルプ「ショッピング キャンペーン向け AI 最大化設定」をご確認ください)。

共通して言えるのは、どのタイプを選んでも広告の中身(広告クリエイティブ)は商品フィードから生成されるということです。自動化が進むほど、運用者が触れる改善の打ち手はフィード品質に集約されていきます。

成果を分解する|数字が悪いとき、どこを直すか

ここからが本題です。ショッピング広告の成果は、次の式に分解できます。

表示回数(IMP)× クリック率(CTR)× 購入率(CVR)= 購入数
広告費 ÷ 購入数 = CPA(顧客獲得単価)
(購入数 × 平均売上単価)÷ 広告費 = ROAS

「成果が悪い」という状態は、必ずこのどこかの指標の問題に分解できます。逆に言えば、どの指標が悪いかを特定すれば、打つべき施策は絞り込めるということです。症状別の逆引き表にまとめました。

そもそも表示されない・表示が少ない表示回数(IMP)

  • 不承認・エラーの解消
  • 商品タイトルの最適化
  • Google商品カテゴリの詳細設定
  • 入札の引き上げ

表示はされるがクリックされないクリック率(CTR)

  • 商品タイトルの最適化
  • 商品画像の見直し
  • セール価格表示の活用

クリックはされるが購入されない購入率(CVR)

  • 広告と商品ページの情報一致(価格・在庫)
  • フィード鮮度の担保
  • 商品ページ自体の改善

クリック単価が高くて採算が合わないクリック単価(CPC)

  • 商品グループの分割と入札調整
  • カスタムラベルによる注力商品の切り分け

購入はあるのに売上・ROASが伸びない売上単価

  • 高単価・売れ筋商品への予算配分
  • 目標ROAS入札の活用

それぞれの打ち手を、実務の勘所とあわせて解説します。

表示回数(IMP)が少ない:まず「出られない商品」をゼロにする

表示回数を増やす施策として入札の引き上げが真っ先に浮かびますが、その前に確認すべきは不承認・エラーで掲載自体から漏れている商品がないかです。不承認の中に売れ筋候補が眠っていることは珍しくありません。前章の対処法で掲載商品数を最大化するのが第一歩です。

次に効くのが商品タイトルの見直しです。ショッピング広告には配信キーワードの設定がないため、どの検索語句に表示されるかは、商品フィードの情報——なかでも商品タイトルに含まれる語とのマッチングに大きく左右されます。表示回数を獲得したい検索語句があるなら、その語を商品タイトルに含めることで、その検索語句に対して表示される可能性を高められます。語順や見せ方の整え方は、次のクリック率の項で詳しく解説します。

あわせて効くのが商品カテゴリの整備です。Google商品カテゴリ(google_product_category)は「大分類>中分類>小分類」の階層で、小分類まで詳細に設定するほど、商品の属性がGoogleに正しく伝わり、適切な検索語句とのマッチングが増えやすくなります。あわせて、サイト独自の分類を入れられるproduct_typeも設定しておくと、商品フィードの情報量が増えるうえ、後述の入札調整の切り口としても使えます。

クリック率(CTR)が低い:商品タイトルは「先頭の数十文字」で決まる

ショッピング広告の広告クリエイティブの中で、運用者が改善しやすいのが商品タイトルです。掲載面ではタイトルが途中で見切れるため、ユーザーが検索に使う語(ブランド名・商品種別・性別・サイズ・素材など)をタイトルの先頭側に配置するのが原則です。

社内の管理用の型番から始まるタイトルや、英語表記のままのタイトルは、検索語句とのマッチングでも視認性でも不利になりやすいため、「ユーザーが何と検索してこの商品にたどり着くか」から逆算して、タイトルを組み替えてみてください。

Googleショッピング広告の商品タイトル改善例。ユーザーが検索する語を先頭に配置する

もうひとつクリック率に効くのがセール価格表示です。商品フィードにsale_price(セール価格)を正しく設定すると、割引後価格が強調表示され、検索結果の中で商品が目立ちます。ただし表示には条件があり、一定期間の基本価格の履歴が必要になるなど、セール直前の設定では間に合わないことがあります。セール施策を予定しているなら、フィード上の価格設定は前倒しで整えておきましょう。

購入率(CVR)が低い:広告とランディング先の「約束」を一致させる

ショッピング広告の購入率悪化でよくある原因は、広告で見た情報と商品ページの実態のズレです。広告では在庫ありだったのに売り切れ、広告の価格と違う——この体験は離脱に直結します。つまり購入率の改善で実際に効くのも、商品フィードの鮮度管理です。自動更新の仕組みを整え、価格・在庫の反映ラグを最小化することが、地味ですが確実に効きます。

クリック単価(CPC)が高い:商品グループとカスタムラベルで「濃淡」をつける

配信キーワード単位の入札ができない代わりに、ショッピング広告では商品グループ単位で入札を変えられます。商品グループの分割軸には、Google商品カテゴリ・ブランド・商品ID・product_type、そして自由な値を入れられるカスタムラベル(custom_label 0〜4)が使えます。

実務でよく使うのはカスタムラベルです。「セール品・定番品」「粗利率の高低」「季節商品」など、自社の採算構造に合わせた切り口でラベルを振っておけば、「利益率の高い商品だけ入札を強める」「型落ち品は入札を抑える」といったメリハリのある予算配分ができます。フィード設計の段階でラベル運用まで見据えておくと、後の運用が格段に楽になります。

売上・ROASが伸びない:商品の「価値」で配分を変える

CPAが良くてもROASが悪い場合、安価な商品にクリックと予算が偏っている可能性があります。コンバージョン値の計測を前提に、目標ROAS入札を使う、高単価・売れ筋商品をカスタムラベルで切り出して予算を寄せる、といった「何が売れると事業が伸びるか」に沿った配分に組み替えます。

ショッピング広告のAI関連アップデート

検索体験そのものがAIで変わりつつあり、ショッピング広告もその影響を受けています。本記事の更新時点(2026年9月)で押さえておきたい動きを整理します。

AI Maxのショッピングキャンペーン対応(2026年4月発表)

前述のとおり、AI Maxがショッピングキャンペーンに拡大されました。ポイントは、AIによる検索の多様化——単語の羅列ではなく文章で検索するユーザーの増加——に対して、商品フィードを起点に広告側が追従していく設計になっていることです。

AIモード内の新しい広告フォーマット

2026年5月のGoogle Marketing Live 2026では、Google検索のAIモード内に表示される新しい広告フォーマットとして、会話型の広告や「AIを活用したショッピング広告」が発表されました。AIショッピング広告では、Geminiがユーザーの質問内容に対して関連性の高い商品を選び、説明文をカスタマイズしながら提示するとされています。発表時点では米国のテスト段階とされており、日本での展開時期は未定です(最新の提供状況はGoogleの公式発表をご確認ください)。

広告主が「いま」準備すべきこと

新機能の日本展開を待つ間に何もできないかというと、逆です。AI Maxも、AIモードの広告も、共通して商品フィードとMerchant Centerのデータを判断材料にしています。つまり、フィードの正確性・情報量・鮮度という従来からの基本が、AI時代にはさらに重要になるということです。この記事で解説した不承認の解消・タイトルとカテゴリの整備・自動更新の仕組み化は、そのまま次世代フォーマットへの備えになります。

Googleショッピング広告に関するよくある質問

無料でショッピング枠に商品を掲載できますか?

できます。Merchant Centerに商品データを登録すれば、無料リスティングとしてショッピングタブなどに掲載されます。ただし表示位置・露出量は有料のショッピング広告に劣るため、売上の主力商品は広告との併用がおすすめです。

楽天市場やAmazonの店舗ページを広告に使えますか?

ショッピング広告の掲載には、原則として自社で所有権を確認したドメインの商品ページが必要です。モール店舗の運営が主体の場合は、自社ECサイト側での出稿を検討してください。

個人事業や小規模ECでも始められますか?

始められます。最低出稿額はなく、クリック課金で少額から配信可能です。商品点数が少なければ、商品フィードもスプレッドシートで十分運用できます。

検索広告(リスティング広告)とどちらを優先すべきですか?

物販ECであれば、ショッピング広告を優先的に検討する価値があります。商品を画像つきで検索結果の目立つ位置に出せるうえ、クリック単価も抑えやすいためです。一方、指名検索の受け皿やブランド訴求は検索広告が担う領域なので、最終的には併用して役割分担させるのが定石です。検索広告側の費用感はリスティング広告の費用相場の記事を参考にしてください。

成果が出るまでどのくらいかかりますか?

商品フィードの審査と機械学習の学習期間を考えると、評価の目安は配信開始から1〜2ヶ月程度を見てください。初週の数字で判断せず、不承認の解消と検索語句(通常ショッピングの場合)の確認を先に進めるのがおすすめです。

総括|成果は商品フィードの品質で決まる

Googleショッピング広告は、検索結果の最上部周辺に商品画像つきで露出でき、購入意欲の高いユーザーを商品ページへ直接呼び込める、EC事業者にとって優先度の高い広告メニューです。そして、その成果を左右するのは一貫して商品フィードの品質でした。

  • 表示されない→不承認解消とカテゴリ整備で掲載商品数を最大化する
  • クリックされない→商品タイトルの先頭に検索される語を置く
  • 買われない→価格・在庫の鮮度を自動更新で担保する
  • 採算が合わない→カスタムラベルで商品に濃淡をつけて入札配分する

AI MaxやAIモードといった新しい動きも、判断材料は商品フィードです。「どの指標が悪いのか」を特定し、対応する施策から順に手を打っていけば、ショッピング広告は着実に改善できます。

① 無料相談・広告アカウント診断|どの指標から直すべきか、一緒に特定します

「配信しているが、どの指標から手をつけるべきか分からない」「商品フィード運用の体制づくりから相談したい」——そんな段階のご相談こそ歓迎です。現在の広告運用の問題点・伸びしろを可視化する無料の広告アカウント診断を実施しています。無理な提案はいたしません。

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② 資料ダウンロード|失敗しない広告費の決め方ガイド

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株式会社フェルク 取締役 石崎尊之 この記事を書いた人|石崎 尊之 取締役

株式会社フェルクに新卒入社後、クライアント支援に従事。現在は取締役としてデジタルマーケティング事業を統括し、上流の事業戦略・広告戦略の立案から運用改善、サイト分析、クリエイティブ改善まで幅広く支援している。事業責任者として培ったマーケティング戦略・組織運営の視点を活かし、クライアントの集客成果と事業成長に貢献。ウェブ広告マネージャー公式テキストの執筆にも参画。実践に基づいた再現性の高いマーケティング支援に取り組んでいる。
保有資格:WACA公認上級ウェブ解析士、薬機法管理者、Google認定資格。

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