2026.09.15
リスティング広告の費用相場はいくら?月額広告費の目安と適正予算の考え方を広告運用会社が解説
「リスティング広告を始めたいが、月いくらかかるのか見当がつかない」
「相場を調べても数字がバラバラで、自社の予算をいくらにすべきか分からない」
—リスティング広告の開始や外注を検討中の事業者の方から、よくいただくご質問です。
結論から言うと、リスティング広告の月額広告費は月50万〜100万円程度が一般的なレンジです(検証を目的に月10万円前後から始める広告主も多くいます)。ただし、広告費は企業の規模で決まるものではなく、広告を配信する商品・サービスの市場規模や競合性によって適正額が変わります。相場の金額をそのまま自社の予算にすると、多くの場合うまくいきません。リスティング広告の費用は仕組み上、業種やキーワードによって大きく変わるためです。
この記事では、費用相場の目安と「なぜ相場が幅でしか言えないのか」という仕組み、運用手数料などの周辺費用、そして相場に頼らず自社の適正予算を決める考え方までを、広告運用会社の立場から解説します。
※本記事は、広告運用の現場の視点から執筆しています。
※本記事のリスティング広告とは、ユーザーが検索した際の検索結果に表示される「検索連動型広告(検索広告)」を指します。
リスティング広告の費用の仕組み|相場が「幅」でしか言えない理由
相場の数字に入る前に、費用の決まり方を押さえておきましょう。ここを知っておくと、この後に出てくる相場の数字を正しく読めるようになります。
リスティング広告はクリック課金です。広告が検索結果に表示されるだけでは費用はかからず、ユーザーがクリックして初めて費用が発生します。そして1クリックあたりの金額(クリック単価。CPCとも呼ばれます)は固定ではなく、オークションで決まります。同じキーワードに出稿したい広告主が多いほど、入札の競争でクリック単価は上がる仕組みです。
このため、クリック単価はキーワードによって数十円から数千円まで変わります。競争性の緩やかなキーワードなら1クリック数十円、多くの会社が顧客獲得を狙う激戦のキーワードなら1クリック数千円、という開きが実際に起こります。
「リスティング広告の相場」が幅でしか言えないのは、この仕組みが理由です。何のキーワードに出すかで単価が数十倍変わる以上、業種をまたいだ「一律いくら」は構造的に存在しません。逆に言えば、相場の数字より「自社が狙うキーワードのクリック単価がいくらか」のほうが、はるかに予算の参考になります。
リスティング広告の費用相場の目安【早見表】
仕組みを踏まえたうえで、私たちが広告運用の現場で見ている実態も踏まえた目安を整理します。
月額広告費のレンジ
| 月額広告費 | 位置づけ |
|---|---|
| 10万円〜 | お試し・検証の段階。検証目的で始める場合に多い帯。データが溜まりにくい点に注意(後述) |
| 50万〜100万円 | 標準的な帯。検証と改善のサイクルを現実的な速度で回しやすい規模 |
| 100万〜300万円 | 本格運用。複数の商品・サービスやエリアを並行して配信する規模 |
| 500万円〜 | 大規模。リスティング広告に加え、Meta広告やYouTube広告(ディスプレイ・動画広告)を併用する規模 |
実際、私たちにご相談いただく企業様の多くも、月50万〜100万円の帯からのスタートです。この帯であれば、検証→改善のサイクルを現実的な速度で回せます。
※このレンジは広告媒体(Google広告・Yahoo!広告)に支払う広告費本体の話です。広告代理店に運用を任せる場合の運用手数料は別途かかります(後述)。
クリック単価の傾向
業界別のクリック単価の一覧を載せている記事もありますが、単価はオークションで日々変動するため、本記事では固定の数字ではなく傾向でお伝えします。
- 単価が高くなりやすい分野——1件の成約の価値が大きい業種。具体的には、法律相談・士業、金融・保険、不動産、医療、BtoBの高額サービスなど。1件の顧客獲得に数千円払っても採算が合うため、入札競争が激しくなります
- 単価が比較的落ち着いている分野——地域密着のサービスや、競合の出稿が少ないニッチな商材。同じ業種でも「地域名+サービス名」のような絞ったキーワードは単価が下がる傾向があります
自社が狙うキーワードのクリック単価は、Google広告のアカウントを開設すると無料で使える「キーワードプランナー」というツールで事前に調べられます。一般的な相場の数字よりも、自社が狙うキーワードで確認した数値のほうが予算設計の目安になります(プランナーの数値も推定のため、実際のクリック単価は配信を開始して初めて確定します)。
相場の数字を見るときの注意
ここまでの数字を見て「では月30万円で始めよう」と決めたくなりますが、少し待ってください。相場は「他社の平均像」であって、自社の適正額ではありません。月10万円で十分に成果が出る事業もあれば、月100万円でも検証データが足りない事業もあります。分かれ目は、自社の商材の顧客獲得単価と、狙うキーワードのクリック単価の水準です。この見極め方をこの後のセクションで説明します。
広告費以外にかかる費用
予算を組むときに見落としやすいのが、広告費本体以外の費用です。トータルでかかるものを先に把握しておきましょう。
| 費用の種類 | 目安と補足 |
|---|---|
| 運用手数料 | 広告費の20%程度。広告代理店に運用を任せる場合にかかります。詳しくは運用手数料の相場と内訳の記事で解説しています |
| 初期費用 | 0〜10万円程度。広告アカウントの構築費。無料の会社もあります |
| LP・バナー制作費 | 内容により変動。広告のクリック先ページ(LP=ランディングページ)を新規制作・改善する場合にかかります |
初期費用に関連して一点、実務からの補足です。構築してもらう広告アカウントは自社名義での作成をおすすめします。広告代理店名義だと、契約終了時に配信実績や学習データを引き継げないことがあるためです。
また特に注意したいのが、広告費だけで予算を使い切ってしまい、LPの改善に回す費用が残らないパターンです。広告で質の良い見込み顧客を集客できても、クリック先のページで商品の魅力が伝わりづらい、どこから購入できるのかが分かりづらいなど、結局成果につながらなければ、広告の費用対効果は改善されません。トータルの予算配分の考え方はWeb広告の予算の決め方の記事でも詳しく扱っています。
自社の適正予算は「相場」ではなく「逆算」で決める
ここが本記事で最もお伝えしたいことです。適正予算は相場からではなく、自社の数字からの逆算で決めます。基本の式はこれだけです。
目標CPA(顧客獲得単価)とは、問い合わせや購入などの成果1件に、いくらまで広告費をかけられるかの上限額です。たとえば成果1件あたり2万円までかけられる事業で、月30件の獲得を目指すなら、月の広告費は60万円が目安になります。相場の「50万〜100万円」という幅に対して自社がどこに位置すべきか(あるいはもっと少額・高額が適正か)は、この式で初めて決まります。
目標CPAの具体的な計算方法(利益からの逆算・BtoCとBtoBでの考え方の違い)は、Web広告の予算の決め方の記事で詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。
なお、始めたばかりの時期は「目標CPA×数件分」の広告費を毎月確保できると、検証に必要なデータが集まりやすくなります。1〜2件分の予算だと、成果が出たのか偶然なのかを判断する材料が揃わないためです。
少額(月10万円以下)から始める場合の注意点
「まずは月数万円から試したい」というご相談はよくあります。結論としては、少額でも始められますが、成果の判断を焦らない設計が必要です。
- データが溜まる速度が遅くなる——広告の改善は「配信データを見て調整する」の繰り返しです。少額だとクリック数・コンバージョン数(成果の件数)が少なく、良し悪しの判断に時間がかかります。月3万円で1ヶ月かけて集まるデータ量は、単純計算では月30万円の運用の数日分にあたります
- 「薄く広く」を避けて絞る——少額のまま多くのキーワードや広いエリアに配信すると、どこにも十分な予算が行き渡らず、全部が中途半端になりがちです。エリア・キーワード・配信時間帯を絞り、狭い範囲で確実に成果を取る設計が基本です
- 撤退判断を早まらない——少額運用は判断材料が揃うのも遅いため、開始1〜2ヶ月の数字だけで「効果がない」と結論づけると、検証が終わる前にやめることになりかねません
少額で始めること自体は悪い選択ではありません。大切なのは「少額だと検証に時間がかかる」ことを織り込んで、判断のスケジュールを最初に決めておくことです。
費用対効果を高める3つのポイント
同じ広告費でも、運用の仕方で成果は大きく変わります。予算を活かすための基本を3つに絞って紹介します。
① 成果につながらない検索語句を配信対象から外す
配信を始めると、想定していなかった検索語句にも広告が表示されます。検索語句レポート(実際に広告が表示・クリックされた検索語の一覧)を定期的に確認し、成果につながらない語句を除外キーワード(配信対象から外す語句)として登録していくことで、広告費が「見込みのあるクリック」に集中します。
② 広告とLPの内容を揃える
広告文で訴求した内容がクリック先のLPですぐに見つからないと、ユーザーは離脱します。広告とLPの一貫性は、費用対効果に直結する基本項目です。成果が出ないときの原因の切り分けはリスティング広告の成果が出ない原因チェックリストにまとめています。
③ 成果の測定を正しく設定する
コンバージョン計測(問い合わせや購入を成果として記録する設定)が正しく入っていないと、どのキーワードが成果を生んでいるか分からないまま広告費を使い続けることになります。運用の改善はすべて計測の上に成り立つため、開始時に必ず整えたい項目です。
リスティング広告の費用に関するよくある質問
月いくらから始められますか?
広告媒体の仕組み上は月数千円〜数万円からでも配信できます。ただし検証に必要なデータが集まる速度を考えると、目標CPA×数件分の広告費を毎月確保できる状態で始めるのがおすすめです。少額で始める場合は前述の注意点を織り込んでください。
運用手数料込みの総額はどう考えればよいですか?
広告代理店に任せる場合、「広告費+運用手数料(広告費の20%程度)」が毎月の総額の基本形です。たとえば広告費20万円なら、総額の目安は24万円前後になります。このほか初期費用がかかる会社もあるため、見積もり時に総額で比較してください。比較のポイントは運用手数料の相場の記事で詳しく解説しています。
効果はいつから出ますか?
広告審査を通過すれば配信が始まります(審査には1営業日程度かかる場合があります)。ただし、検索語句の精査や広告媒体の学習が進んで成果が安定するまでは、一般に1〜3ヶ月程度を見込んでください。開始直後の数字だけで判断せず、検証期間をあらかじめ決めておくことが重要です。
広告費は途中で変えられますか?
変えられます。リスティング広告の予算は管理画面からいつでも調整でき、最低契約期間のような縛りは広告媒体側にはありません(広告代理店に運用を任せている場合は、広告代理店との契約で最低広告費や契約期間が決まっていることがあるため、変更前に広告代理店へ相談してください)。小さく始めて、成果の出た部分に予算を足していく進め方が一般的です。
総括|相場は「入口の目安」、決めるのは自社の数字
- 月額広告費の一般的なレンジは月50万〜100万円程度(検証目的なら月10万円前後からのスタートも多い)。広告費は企業規模でなく、商品・サービスの市場規模や競合性で決まる
- 広告費本体のほかに運用手数料(広告費の20%程度)・初期費用・LP制作費がかかる。予算はトータルで組む
- 適正予算は相場ではなく「目標CPA×目標獲得件数」の逆算で決める
- 少額スタートは可能。ただしデータが貯まる速度が遅いことを織り込み、絞った設計と検証スケジュールをセットにする
- 費用対効果の土台は検索語句の精査・広告とLPの一貫性・正しい計測
相場の数字は出発点としては役立ちますが、そこで思考を止めると「他社の平均」に自社の予算を合わせることになります。自社の数字から逆算する——この一手間が、広告費を投資に変える分かれ目です。
① 無料相談・広告アカウント診断|自社の適正予算、一緒に数字で考えます
「相場は分かったが、自社はいくらで始めるべきか決めきれない」「今の広告費が適正か第三者の目で見てほしい」——そんな段階のご相談こそ歓迎です。現在の広告運用の問題点・伸びしろを可視化する無料の広告アカウント診断を実施しています。無理な提案はいたしません。
② 資料ダウンロード|失敗しない広告費の決め方ガイド
目標CPAの計算式と具体的な数値例(BtoC / BtoB別)を収録した実践ガイドです。本記事の「逆算」を自社の数字で実際にやってみる際にご活用ください。
あわせて読みたい
人気の記事

【初心者必見】Googleスキルショップを活用してGoogle広告のトレーニング
2020.2.28

広告運用代行の手数料相場は20%?内訳と妥当性を運用会社が解説
2026.9.5

マンダラチャートの欠点と補完法
2020.1.28

広告配信後に広告代理店の運用者が意識すること
2020.5.27

Web広告代理店の選び方|失敗しない8つの見極めポイント
2026.6.19

【バナー参考】おすすめのバナーまとめサイト〜厳選3選〜
2020.7.1

BtoBリスティング広告で成果を出す7つのポイント|広告運用会社が解説
2026.9.12

EC事業者のためのP-MAX完全ガイド|基本・設定・6つの改善ポイント
2026.7.16

ビジネスメールでよくある間違った敬語とは?
2019.6.6

広告代理店の乗り換えタイミング|7つのサインと失敗しない手順
2026.9.9
サービスに関するお問い合わせ・ご相談はこちら
ウェブマーケティングに関する課題やお困りごとなど、まずはお気軽にご相談ください。
