2026.07.09

BtoB広告で商談につながらない原因と受注を増やす3つの視点

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「リードは目標どおり取れている。CPAも悪くない」
「それなのに、営業からは“商談につながらないリードが多い”と言われ、受注も伸びない」
——BtoBの広告運用で、最も多いお悩みのひとつではないでしょうか。

実はこの“リードは取れるのに商談につながらない”状態には、広告運用そのものに構造的な原因があります。本記事では、その原因と、成果(商談・受注)を伸ばすための3つのポイントを、広告運用の実務視点で解説します。記事のポイントを社内で共有・見返せる資料(支援事例つき)は、記事の後半でご案内します。

WEB広告運用代行において、ご紹介を中心に10年以上事業を広げてきたフェルクの視点から、実務で使える情報をお届けします。

BtoB企業が抱えるマーケティング課題

広告運用の話に入る前に、多くのBtoB企業が置かれている状況を、調査データから確認しておきます。

株式会社コミクスの実態調査では、BtoB事業を行う経営者の約7割(69.3%)が「新規リードを十分に獲得できていない」と回答しています。一方で、リードを獲得できていると答えた経営者のうち93.5%は「獲得したリードが受注につながっている」と回答しており、「リードを獲得できているかどうか」が、ほぼそのまま受注の差になっていることが分かります。

BtoB事業者の69.3%が「新規リード獲得に課題を感じている」状況

出典:株式会社コミクス「マーケティング×営業戦略」に関する実態調査

では、なぜ多くの企業はうまくいかないのか。獲得できていない理由の上位は「マーケティングの戦略設計ができていない」(47.2%)、「マーケティング担当者がいない」(41.7%)でした。つまり課題の本質は、広告の細かいテクニックではなく、「受注から逆算した設計」と「それを担う体制」にあります。

新規リードを獲得できていない理由「マーケティングの戦略設計ができていない」が47.2%で最多

出典:株式会社コミクス「マーケティング×営業戦略」に関する実態調査

そして本記事で扱うのは、さらにその先です。
広告を出してリードは取れているのに、その先の商談・受注につながらない
——この、より根深いケースの原因と打ち手を解説していきます。

なぜ 「リード数」 と 「CPA」 で評価すると成果が頭打ちになるのか

リードは取れているのに商談につながらない——この状態は、担当者の努力不足でも、たまたま運が悪いわけでもありません。広告運用の評価の仕方そのものに原因があります。

「リードは取れるのに商談につながらない」の正体=フォーム最適化の罠

BtoB商材の広告運用において、「資料請求」や「お問い合わせ」をコンバージョン地点に設定している企業様は多いのではないでしょうか。この設定自体は間違いではなく、広告運用における一般的な考え方です。

ただGoogle・Metaなどの広告媒体の自動入札は、設定されたコンバージョン地点=多くの場合「フォーム送信」を最大化するように動きます。フォームを送ってくれる人を効率よく集める方向に最適化が進むと、媒体は“フォームを送りやすい人”を連れてきます。その中には、情報収集だけの層、決裁権のない担当者、競合や同業のリサーチ、売り込みを考えている営業マン、採用希望者、そしてBtoC(個人)ユーザーが少なからず混ざります。

つまり、リード数とCPAだけを見ている限り、広告は“フォームを送る人”を集め続け、“商談・受注につながる人”を集める仕組みにはなりません。これが「リードは取れるのに商談につながらない」の正体であり、リード数・CPAで評価するほど成果が頭打ちになる理由です。

BtoB広告が「難しい」3つの構造的な理由

この問題の背景には、BtoB広告がBtoCと根本的に異なる、3つの構造的な前提があります。これがすべての打ち手の前提になります。

1. 見込み顧客の母数(検索量)が小さい

まず顕在層に向けて広告配信を行う場合、Google広告やYahoo!広告、Microsoft広告などの検索広告を活用するケースが多くなります。実際に設定する「業務用」「法人向け」「○○ツール 比較」といったBtoB向けのキーワードは、BtoC商材のキーワードと比べて、月間検索ボリュームが1桁あるいは、2桁にとどまることも珍しくありません。

検索される母数が少なければ、自然とクリック数やコンバージョン数も限られます。その結果、媒体の機械学習に必要なデータが蓄積されにくく、短期間で大きく件数を伸ばすことが難しくなります。この前提を踏まえずに「とにかくリード件数を増やす」ことだけを追ってしまうと、配信対象を広げすぎたり、質の低いCVを集めたりする運用になりやすいため注意が必要です。

2. 検討期間が長く、意思決定者が複数いる

BtoB商材の最終ゴールである受注・成約は、担当者一人の判断だけで決まるものではありません。情報収集する人、比較検討する人、稟議を上げる人、最終決裁する人が分かれているケースも多く、検討期間も数週間から数か月に及びます。

そのため、「広告を見たその場で申し込みまで完了する」というBtoCに近い動線は、BtoBでは成立しにくいのが実情です。広告で獲得したリードの多くは、まだ比較・検討段階にいるユーザーであり、複数の接点を通じて段階的に信頼を積み上げる設計が必要です。広告運用では、獲得した時点で“すぐに決める人”ばかりではなく、“まだ決めていない人”が多いという前提を持つことが重要です。

3. 成果のゴールが「受注」である

何度も言いますが、BtoB広告の最終目的は、クリックでも資料DLでもフォーム送信でもなく、商談の獲得とその先の受注です。少しハードルが高いのは、獲得したリードが商談・受注につながるかどうかが、その後のインサイドセールスや営業活動の状況によって大きく変わる点です。だからこそ、広告の良し悪しは「リードを取った地点」ではなく「売上につながった地点」で判断しなければなりません。ここを取り違えると、冒頭の“フォーム最適化の罠”に真っ直ぐ落ちていきます。

この3点を踏まえると、BtoB広告の運用は「いかに安くたくさんフォームを集めるか」ではなく、「限られた母数の中から、いかに受注につながる相手を見つけ、媒体にそれを学習させ、営業まで一気通貫でつなぐか」というゲームだと分かります。次の3つのポイントは、すべてこの問いへの答えです。

広告運用で商談・受注を増やす3つのポイント

① 運用担当者が「商談・成約」まで成果を追いきる

3つの中で、最もツールや設定に依存しない——けれど最も差がつくのが、この“人と姿勢”です。BtoB商材のゴールは成約である以上、実際に手を動かす運用担当者自身が、リード獲得で満足せず、商談・成約まで成果を追いきれているかが問われます。

鍵は2つ。ひとつは、営業担当者と運用担当者が密接に関われる距離感があるか。広告経由で獲得した商談が「なぜ失注したのか / なぜ成約に至ったのか」を運用担当者が把握できていれば、次の打ち手(伸ばすキーワード・訴求)が推測ではなく事実から決まります。もうひとつは、運用担当者が営業を経験しているか。営業未経験だと、どうしても広告のゴールを「問い合わせ獲得」や「CPA」で見てしまいがちだからです。

② 顕在層から質の高いリードを獲得するアカウント設計

BtoBは見込み客が少なく、クリック単価も高い領域です。だからこそ、限られた予算を「今まさに探している人(顕在層)」に集中できているかが成果を分けます。検索広告は、この顕在層にアプローチする最も適した手段です(潜在層を掘り起こすならMetaなどが活きます)。

顕在層に当てきれているかは、次のような点で決まります。狙ったキーワードにマッチタイプを意図的にコントロールして出せているか、除外キーワードを定期設定してムダ打ち(競合名への配信など)を止められているか、広告文がターゲットに刺さるか、成約に近い検索に予算を厚く配れているか、そして成約データを見てデバイス・曜日・時間帯を微調整できているか。具体的にどこを直すかは、別記事「リスティング広告の成果が出ない原因|改善チェックリスト15項目」でまとめています。

③ 評価軸を「商談・受注」に置き、オフラインCVで機械学習を回す

そして、先ほど見た「リード数・CPAで頭打ちになる」問題を、仕組みで解決するのがこのポイントです。具体的には、まずリードを「有効 / 無効」に分類する基準を営業と一緒に決め、商談・受注のデータをオフラインコンバージョンとして媒体にインポートします。そのうえで入札の最適化対象を「フォーム送信」から「商談」へ切り替える。広告・GA4・SFA/CRMを連携し、媒体別の商談化率まで見えるようにすれば、運用は“受注に効く”状態になります。

よくある失敗パターン

最後に、「リードは取れるのに商談につながらない」企業が陥りがちな失敗を挙げます。
ひとつでも当てはまれば、改善の余地があります。

  • リード数・CPAだけで良し悪しを判断している
    ※有効 / 無効の分類がなく、質の低下に気づけない。
  • 営業とマーケが分断している
    ※失注・成約の理由が運用側に戻らず、打ち手が推測になる。
  • Metaのインスタントフォームの“安いCPA”に騙される
    ※獲得単価は良く見えても、質が伴わないことがある。必ず商談・成約CPAで判断する。
  • 検索広告を“出しっぱなし”にしている
    ※除外キーワードやマッチタイプを放置し、関連性の低い検索語句に課金され続けている。
  • 潜在層向けの施策を、顕在層と同じ「即CV」の基準で切ってしまう
    ※将来の商談の芽まで刈り取ってしまう。

総括|「リードを取る運用」から「受注を生む運用」へ

「リードは取れるのに商談につながらない」という課題は、単に広告の配信設定だけで解決できるものではありません。媒体の自動入札がフォーム送信を最大化する仕組みである以上、リード数だけを追うと、商談・受注につながりにくいユーザーまで集まりやすくなります。

重要なのは、評価軸を「リード獲得数」だけでなく、「商談・受注」まで広げて運用全体を設計することです。運用担当者が成約まで追い、顕在層の中でも受注につながりやすいリードを狙い、オフラインCVを活用して媒体に質の高い成果データを返す。
この3つを実行することで、単なるリード獲得ではなく、売上につながるBtoB広告運用へと改善しやすくなります。

なお、自社で運用体制を組みきれない場合は、外部の活用も選択肢になります。
判断の考え方は「広告運用を外注するメリットと判断基準」もあわせてご覧ください。

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株式会社フェルク 取締役 石崎尊之
この記事を書いた人|石崎 尊之 取締役

株式会社フェルクに新卒入社後、クライアント支援に従事。現在は取締役としてデジタルマーケティング事業を統括し、上流の事業戦略・広告戦略の立案から運用改善、サイト分析、クリエイティブ改善まで幅広く支援している。 事業責任者として培ったマーケティング戦略・組織運営の視点を活かし、クライアントの集客成果と事業成長に貢献。ウェブ広告マネージャー公式テキストの執筆にも参画。実践に基づいた再現性の高いマーケティング支援に取り組んでいる。
保有資格:WACA公認上級ウェブ解析士、薬機法管理者、Google認定資格。

         

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