2020.06.26

知らないと怖い「Googleキーワードプランナー」の仕様と機能【中級者向け】

Googleキーワードプランナーの仕様と機能

こんにちは、フェルクの安保です。

 

運用担当者であればGoogle広告のキーワードプランナーに触れる機会は多いかと思います。

キーワードプランナーは表示される検索ボリュームなどを通して、市場の動向や規模感まで把握できる非常に有力なツールで、リスティング広告の運用には必要不可欠です。

 

一方で間違った使い方をしてしまうと、自分が求めていたデータと異なるものが出てしまい誤った判断を下してしまう要因にもなりかねません。

 

そこでこの記事では、普段利用する方でも「意外と知らないGoogleキーワードプランナーの仕様・機能」をご紹介します。

 

基本的な使い方は過去の記事で紹介してますので、キーワードプランナーのことが全く分からないという方はこちらから先に読んで頂いた方が理解が深まります。

【Googleキーワードプランナー】初心者でも分かる活用方法をご紹介

 

「キーワードの除外」機能(新機能)

まずは新しい機能の紹介です。こちらの除外機能は2020年6月1日に追加されました。

まだ知らない方も多いかと思いますので内容を説明します。

 

キーワードプランナーには「新しいキーワードを見つける」という機能があります。

 

例えば、30,40代女性向けの「保湿用の美容液」という商材での配信を想定し、「乾燥肌」というキーワードを入力するとします。

入力したキーワードはもちろんのこと、関連する語句のデータも抽出することができるため、自分で予想しえなかったキーワードを見つけることができるメリットがあります。

 

 

一方で様々な語句に広がるため、「子供」や「ニキビ」などの自社のサービスとマッチしないキーワードを拾ってしまうデメリットもあります。

 

 

今までであれば目視で取捨選択を行うか、フィルタ機能で一つ一つ検索していく必要がありましたが、新たに追加された除外機能を使うことでキーワードプランナーの試算上から省くことができるようになりました。

 

※画面右側に表示

 

画像を見ていただくと分かりますが、掛け合わせキーワードとしての候補が多い語句が種類別にグルーピングされているため、不要な掛け合わせを一括で除外できます。

 

除外機能が追加されたことで使い勝手が良くなりましたので、まだ知らなかった方はぜひ活用してみてください。

 

「予測データ」の算出の際の注意点

キーワードプランナーでは、登録したいキーワードに対して、配信を行う前に予測データを算出することができます。

 

今回は「在宅ワーク」と入力してみます。

 

そうすると以下のように「在宅ワーク」というキーワードを登録した際の「表示回数」「クリック数」「広告費」「CV数」などを配信前に把握することができます。

※実際はこの通りの数値にならないことも多いのであくまで参考値として留めましょう。

 

 

 

配信前のシミュレーションに便利なこの予測データの算出機能ですが、利用の際に注意したいポイントが2つあります。

 

一つ目の注意点は、「マッチタイプを指定」する必要があるという点です。

 

「過去の指標」の機能の場合はマッチタイプの記号を入れなくても「完全一致」の検索数が表示されますが、「予測データ」を算出する際はマッチタイプを指定する必要があります。(完全一致の場合は[在宅ワーク])

 

(「過去の指標」を使用している感覚で「予測データ」を使用すると、「完全一致」だと思っていたが実は「部分一致」でのシミュレーション結果だったということになってしまいます。)

 

以下は「在宅ワーク」というキーワードの完全一致、絞り込み部分一致、部分一致のそれぞれのマッチタイプの予測データですが、やはり部分一致がもっとも配信量は多いです。

 

 

実際に配信をしてみた際に「事前に想定していたよりも配信量が少なかった」という事態が発生しないようにマッチタイプの使い分けには注意しましょう。

 

 

二つ目の注意点は、「市場の変化が大きい」状況では定期的に予測データを算出する必要があるという点です。

 

今回取り上げた「在宅ワーク」というキーワードは、新型コロナウイルスの影響により急激に関心の高まったキーワードの一つです。そういった変化の大きい市場を狙う場合は、1週間前に作成したプランと大きく数値が異なるケースがあります。

 

Google広告のヘルプには、以下のように記載されています。

 

「キーワード プランナーの予測機能は過去 7~10 日間のデータを基に、季節ごとの要因を考慮して毎日更新されます。」

 

こちらの仕様上、市場が急激に変化している場合には1ヶ月前の予測データがまったくあてにならないことがあります。

そのため予測データを利用する際は、配信予定のキーワードの市場動向を見極めて、必要であれば一週間ごとにデータを算出するようにしましょう。

 

「検索ネットワーク」の指定

検索キャンペーンの配信設定では、検索ネットワークに「Google検索パートナーを含める」かどうかを選ぶことができます。

 

 

Googleは「検索パートナーを含める」設定を推奨しているため、検索キャンペーンの作成時にはデフォルトで「検索パートナーを含める」にチェックが入っている状態です。

 

一方でキーワードプランナーの利用時にはデフォルト設定では「検索パートナーが含まれない」状態になっています。そのため、配信をしてみたら事前に想定していたよりも配信量が多かったというケースも少なくありません。

 

「乾燥肌」を例にすると検索数に大きく差があることがわかります。

 

※「乾燥肌」の検索ネットワークごとの検索数

Googleのみ:22,200

Googleと検索パートナー:33,100

・Googleのみ

 

・Googleと検索パートナー

 

検索ネットワークの設定は意外と気づいていない方も多いかと思いますので、利用する際にはぜひ意識してみてください。

 

「地域」の指定

こちらはご存知の方も多いかもしれませんが、店舗集客などのオフラインのビジネスにおいては非常に重要な機能のためご紹介します。

 

キーワードプランナーの上部の「地域設定」から指定したエリアごとの検索数を算出することが可能です。デフォルトでは「日本」となっているため、地域密着型ビジネスなどの場合はエリアを指定した上で検索数を見る必要があります。

 

例えば愛知県で戸建のリフォーム会社を営んでいる場合に、「戸建 リフォーム」というキーワードで配信を検討しているとします。

 

デフォルト設定の「日本」では検索数が1,000あり、月間で数件のコンバージョンは見込めそうなボリューム感です。

 

しかし、愛知県のみに絞り込んだ場合、月間検索数は40しかありません。これでは月に1件の問い合わせを期待することも難しいでしょう。

 

自社の商圏に合わせた検索ボリュームを把握することで、「目標や予算に対してキーワードの検索数が少ないから他のキーワードも検討しよう」といった正しい判断を下すことができます。

 

さいごに

いかがでしたでしょうか。普段からキーワードプランナーを頻繁に使っている方でも意外と知らない機能があったのではないでしょうか。

 

Googleキーワードプランナーは「高い信頼度で世の中の需要を数値化して把握できる」非常に強力なツールです。しかし、細かな設定を間違えると取るべきデータが大きく変わってしまい、ビジネスにおける大きな判断をも間違えてしまう恐れもあります。

 

有効なツールだからこそ、細かい仕様や設定にも目を配り、正しいデータを取得できるようにしていきましょう。

         

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