2019.04.15
最短で一人前のリスティング広告運用者になるための10個のポイント
こんにちは、フェルクの安保です。
新年度を迎え、リスティング広告の運用を新しく任された方も多数いらっしゃるかと思います。
今日ではリスティング広告の運用に必要な知識の範囲は多岐にわたっており、
どの領域から、どのように学習を進めていけば良いかと迷う方も多いでしょう。
今回はこれからリスティング広告を始めていくあなたに向けて、
最短で一人前の運用者になるために抑えるべき10個のポイントをご紹介します。
この記事の目次
1.リスティング広告運用の全体像を把握する
リスティング広告を運用するにあたって必要な決定事項として、
「目標設定」「KPI設定」「ターゲティング」「キーワード選び」「広告文作成」など、
運用前に決定すべき事柄がたくさんあります。
考慮すべき事柄が多いため、全体像を把握せずに学習を進めていくと自分が今何を学んでいるのかわからなくなってしまうことがあります。
そこで重要となるのが、ざっくりとでもいいので全体像を把握することです。
方法としてはリスティング広告に関する本を3冊ほど読んでみて、
全体像を把握するとこの先の学習がスムーズになります。
それぞれの本の内容は一度に全てを理解する必要はなく、
まずは目を通して全体像をぼんやりとでも把握することが重要です。
2.基本用語を覚える
リスティング広告にはたくさんの専門用語が存在します。
CTR、CPC、CVR、CPA、DSA、RLSA、ROAS、コンバージョン、アトリビューション…等々、
私も最初に聞いた時は頭が追いつかず、先輩やクライアントの発言を理解するのに苦労していました。
基本用語は暗記をするしかなく、地道に少しずつ覚えていくしかありませんのでここはひたすら繰り返して習得しましょう。
慣れてくれば、
「CTR → クリックスルーレート → クリック率だ!」といった脳内変換も不要になり、
「CTR=CTR」として脳内に刻まれます。
基本用語が分かれば、社内やクライアント間のコミュニケーションのスピードも上がり、
学習スピードも加速しますので、頑張って覚えましょう。
3.因数分解的思考を身につける
リスティング広告の数値にはそれぞれ関連性があり、
それを認識しておかない限りは、最適な改善施策を導くことはできません。
例えば、コンバージョン数(注文やお問い合わせなどの成約数)が減少した場合に、
あなたの先輩やクライアントは以下のように質問してきます。
「コンバージョン数が減った要因は?」
因数分解思考を持っていればこのような質問にも論理的に回答することができます。
まず、コンバージョン数は以下の式で求めることができます。
コンバージョン数 = クリック数 × コンバージョン率
そのため、コンバージョン数が減った要因は
「クリック数の減少」か「コンバージョン率の低下」のどちらかであることが分かります。
今回はクリック数が減少していたと仮定すると、今度は以下の式を頭に浮かべます。
クリック数 = 表示回数 × クリック率
これを繰り返していき、表示回数が減少している要因が検索ボリュームの低下とたどり着いた場合に、
「季節要因により検索数の減少に伴いクリック数が減少しており、コンバージョン数が減っています。
改善施策としてはディスプレイ広告の配信量を増やしてコンバージョン数の低下を補填します。」
といった具体的な改善案を含めて回答ができるようになります。
因数分解思考を身につける方法としては、以下のような図を自分で作成してみると、
その数値を構成している要素を把握することができるため、オススメです。
4.目標設定力を身につける
広告運用をスタートする前に行うべき重要なこととしてKGIとKPIの設計があります。
KGIとは、広告経由の売上「150万円/月」など広告配信によって達成したいゴールを示す指標です。
KPIとは、KGIを達成するために設定する中間の指標です。
■KPIの例
・平均客単価:1万円
・コンバージョン数:150件
・CVR:1%
・クリック数:15,000
・CPA:3,000円
・CPC:30円
最初にKPIを定めておくことで、目標売上に達していない時に何が要因かを特定することができます。
その結果、改善施策にも繋げやすくなります。
また、目標CPAについてもクライアントに一方的に聞くだけでなく、
時には上限CPAを引き上げてもらうことも考慮する必要があります。
※上限CPAの引き上げてもらう方法については今後別記事で触れたいと思います。
5.ユーザー目線を忘れない
(1)実際に広告の表示を確認する
リスティング広告の運用で重要な点として、ユーザー目線を忘れないことが重要です。
広告の管理画面には膨大な情報量があるため、運用当初は管理画面の確認だけでもお腹いっぱいになってしまうことがあります。
ただ、やはり管理画面だけではなく、実際の表示結果を見ることで、
・新しい競合が出てきたな
・競合と比べて魅力的な訴求ができていないな
・スマホはプレミアムポジションに出ていないので入札を強化しよう
・ブランドキーワードで自社よりも他社の広告が上位表示されており機会損失をしている可能性があるな
・アプリの起動中に出てくる広告が邪魔だな
など、様々な気づきがあります。
(2)実際にサービスを体験してみる
また、実際にクライアントのサービスを体験してみることも重要です。
店舗があれば実際に足を運ぶことで、
来店されている方のユーザー像も見ることができます。
通販であれば実際に注文してみることで、
同梱物の訴求内容から広告文案を思いついたり、
入力フォームの項目が多すぎて途中で入力するのが億劫になる、
などユーザー目線での気づきがたくさんあります。
6.たくさんのアカウントを見る
あなたがウェブ広告の運用代理店であれば、
たくさんのアカウントを実際に見ることができる状況にあるかと思います。
時間の許す限りアカウントをチェックし、
さらに可能であればそのアカウントの運用者に質問をすると良いでしょう。
アカウントにある情報には、
運用者の考えや、市場のデータがたくさん詰まっており、
以下のような様々な気づきを得ることができます。
・この業界のCPCの相場はこれくらいなのか
・CPAが数万円と高いが、これで収益性が見合っている理由は客単価が高いからなのか
・CVRが平均よりも明らかに高いがその理由は広告とLPの繋ぎこみがうまいからなのか
・検索よりもディスプレイの方が多くCV数を獲得しているがその理由は何なのか
・なぜこのアカウント構成にしたのか
などなど。
7.正しい情報源に当たる
リスティング広告の運用ノウハウは、時代(テクノロジーの変化)によって大きく変化します。
先輩の教えを素直に実行することは大切ではありますが、
時にはその先輩の教えが間違っている(以前までは正解であった)可能性もあります。
一方で媒体側の公式情報はそういった誤りがないので、
公式情報は積極的に収集していくことをオススメします。
また、Yahoo、Googleともに無料で電話サポートを受けることができますので、
わからないことがある時は電話してみるとあっさり解決することも多いです。
Google広告の資格の取得もオススメです。
資格取得が目的ではなく、問題形式でアウトプットすることによって知識の定着を早めることが目的です。
ステップアップ方式でデジタルマーケティングを学習できるようになっていますので、楽しみながら学ぶこともできます。
8.情報収集の仕組みを作る
リスティング広告は日々情報や機能がアップデートされていきます。
そんな中で全ての情報をキャッチアップするためには、情報収集の仕組み化が有効です。
私のオススメは「feedly」というRSSリーダーを活用した情報収集です。
このツールにブログを複数登録し、情報を一元管理できるように設定します。
このツールは「Googleアラート」との連携もできるので、
「Google広告」や「Yahoo!プロモーション広告」といったワードを登録しておく最新情報を拾うことができます。
※Googleアラート:任意に設定したキーワードに当てはまる記事を抽出するツール
最初のうちは記事を消化するのも一苦労すると思いますが、
慣れてくると記事のタイトルで自分にとって重要かそうでないかを選択できるようになるので、
飛躍的に情報処理の速度が増します。
9.他社の運用者と交流を持つ
リスティング広告業の運用スキルは属人的なものになりやすく、
時には社内で教わったことが間違っていたという可能性もあります。
そうした事を避ける意味でも、同じ業界の知り合いが他社にいると、
正しい情報が何なのかを考えるきっかけにもなります。
また、大型案件を得意とする代理店や小規模案件を得意とする代理店、
通販が得意や店舗集客が得意といった代理店ごとの特徴も少なからず存在しますので、
自分が得意でない領域の情報を補完することもできます。
そして、他社の代理店のレベルを知ることで、
今以上にインプットを行う必要性を感じることができたり、
時には自分の運用スキルに自信を持つこともできます。
弊社では定期的に外部の運用者をお招きして、
情報交換という名の勉強会を主催していますが、毎回良い学び、良い刺激を受けることができます。
10.自分の案件を任される
こちらは広告代理店の方針にもよりますが、
「クライアントへの窓口」と「運用者」が分かれているケースにおいて、
「運用」だけを任されている場合は成長スピードが遅くなると感じます。
クライアントと直接向き合うことで、以下のようなメリットが生まれます。
・「この会社さまのために広告の成果を最大化したい」と本気で感じることができる(お預かりしている広告費を自分のお金と思える)
・クライアントからの急な質問に対応できるように正しい知識を学ぶ習慣ができる
・定例会で自分の言葉でアウトプットすることにより、真に自分の知識として定着する
新人の頃は案件を完全に任せてもらうことは難しいかもしれませんが、
一人で運用させてもらえるチャンスがあれば積極的に手をあげましょう。
成長速度は段違いに早くなっていくことを約束します。
終わりに
初めてリスティング広告を学ぶ方は、多数の専門用語や媒体毎の仕様の違い、
情報のアップデートのスピードなど戸惑うことも多いかと思います。
ただ、本記事に記載した内容を本気で進めていけば、
半年から一年ほどで一人前の運用者レベルには到達できるはずです。
リスティング広告の運用のために必要な領域は広く、
アップデートのサイクルも早いですが、変化が好きな方にはとても刺激的で面白い業界です。
また、この業界はたくさんのビジネスモデルに触れることができますし、
力をつけて運用成果を出すことでクライアントから直接感謝の言葉を頂くこともできます。
定期的な学習が嫌いで、変化が嫌いで、スピード感を持って仕事をしたくない方にはオススメはできない業界ですが、
変化を好み、新しいもの好きで、刺激的に仕事がしたいという方には大変オススメな業界です。
私もまだまだ学ぶことはたくさんあり、日々精進してやってまいります。
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