2019.12.09
Google広告のアトリビューションモデルの概要と選び方
こんにちは、安保です。
この記事ではGoogle広告におけるアトリビューションモデルについてご紹介します。
アトリビューションとは、コンバージョンの経路のうち成果に「直接」貢献した接点だけでなく、それぞれの接点に特定の方法で貢献度を割り当てるという考え方です。
(アトリビューションは広告の間接効果とも言い換えられます。)
アトリビューションモデルとは、貢献度をそれぞれの接点に割り当てる際にどのような視点で割り当てるかというルールのことです。
Google広告のデフォルト設定では「ラストクリック」というCVに直接的に貢献したキーワードと広告にのみ貢献度を割り当てるモデルになっておりますが、ビジネスやアカウントの状況に応じて別のモデルを選択した方が良いケースもあります。
この記事では、Google広告におけるアトリビューションモデルの種類を紹介すると共に、最適なアトリビューションモデルの選び方についてご紹介していきます。
この記事の目次
Google広告のアトリビューションモデルとは
アトリビューションモデルとは、コンバージョンに至った広告の貢献度をコンバージョン経路のタッチポイントにどのように割り振るかを決めるルールのことです。
Google広告ではコンバージョンの設定画面でアトリビューションモデルを任意のモデルに変更することができます。
2019年12月現在では、以下の6種類のモデルが選択できます。
※実際の設定画面
・データドリブン(使用条件あり。後述します。)
・ラストクリック(デフォルト)
・ファーストクリック
・線形
・減衰
・接点ベース
アトリビューションモデルの違い
続いて、それぞれのアトリビューションモデルの概要をご紹介します。
ラストクリック
コンバージョン経路で「最後にクリックされた広告とそれに対応するキーワード」だけに貢献度を割り当てます。
ファーストクリック
コンバージョン経路で「最初にクリックされた広告とそれに対応するキーワードだけ」に貢献度を割り当てます。
線形
コンバージョン経路で「発生したすべてのクリック」に貢献度を均等に割り当てます。
減衰
コンバージョン経路で「コンバージョンまでの時間が短いクリック」に、より多くの貢献度を割り当てます。
接点ベース
コンバージョン経路で「最初と最後にクリックされた両方の広告とそれに対応するキーワード」にそれぞれ 40% の貢献度を割り当て、「それ以外でクリックされた広告とそれに対応するキーワード」に残りの 20% を均等に割り当てます。
データドリブン
コンバージョン アクションの過去のデータに基づいてコンバージョンの貢献度を割り当てます。データドリブンの場合は特定のルールは無く、アカウントごとに貢献度の割り当てルールが異なるため、ここでは「?」としています。
データドリブンのみ使用条件があり、以下の条件を満たしたアカウントのみで使用することができます。
データドリブンの使用条件
一般的な目安として、過去 30 日間に Google 検索での 15,000 回以上のクリックと、各コンバージョン アクションに 600 回以上のコンバージョンが必要となります。
データドリブン アトリビューションを使い始めたとしても、Google 検索での 30 日以内のクリック数が 10,000 回未満、各コンバージョン アクションのコンバージョンが 400 回未満になると、このモデルを利用できなくなります。
アトリビューションモデルの選び方
ここまででアトリビューションとは何かと各モデルの概要はざっくりと理解できたかと思いますが、「結局どのモデルを選んだらいいのか?」という悩みがあるかと思います。
データドリブンがおすすめ
もし「データドリブン」が使えるのであれば、「データドリブン」を選ぶことをおすすめします。
「データドリブン」は他のアトリビューションモデルと違い、「コンバージョンに至らなかった経路」も把握して貢献度を算出しているため、自動入札との相性も良いです。
使用条件が厳しいですが、もし使えるようになれば広告運用にとても強い味方となります。
成長戦略から考える
ただ、そうはいっても「データドリブン」が使えないアカウントも多いのが実情です。
その場合は、自社の成長戦略の方向性に合わせてモデルを選択していく必要があります。
以下は各モデルと成長戦略を掛け合わせた相関図です。
ラストクリックはコンバージョンにもっとも近い接触となるため、ビジネスの費用対効果が合わせやすいモデルです。
費用対効果を合わせながら慎重に拡大していきたい場合は、よりラストクリックに近いアトリビューションモデルを選ぶと良いでしょう。
(広告を始めた段階では費用対効果を合わせていきたい企業様が多いので、Google広告でもデフォルトで採用されているのだと思います。)
一方でファーストクリックは、費用対効果を下げてでも売上規模の拡大を図っていきたい場合に検討したいモデルです。
ユーザーがサービスの申し込みを検討し始めた段階ではまだ意志が固まっていないことが多いため、費用対効果は購入前の接触地点と比べて悪くなる傾向にあります。
しかし、検討初期のユーザーに広告予算を多く配分してアプローチすることで、商品を購入してくれる可能性のあるユーザーへ多く接触することが可能となります。
アトリビューションモデルの変更方法
設定の変更自体は管理画面から簡単にできます。
①「ツールと設定」→「コンバージョン」をクリック
②変更したいコンバージョンアクションをクリック
③アトリビューションモデルを選択して保存
最後に
まだラストクリックで広告の効果測定をされる企業様は多いですが、今後適切にビジネスを拡大させていくにはアトリビューションの活用は必須です。
ラストクリックで評価する場合、指名(商標)キーワードでのCVにどうしても偏ってしまうため、起点となった広告を正しく評価できずに予算を縮小させてしまい、コンバージョン数が減ってしまうリスクもあります。
そのような機会損失を発生させないように、それぞれのアトリビューションモデルの特徴を理解し、適切なモデルを活用していきましょう。
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