2020.08.25

検索広告向けリマーケティング (RLSA)の概要と活用方法

検索広告向けリマーケティング (RLSA)の概要と活用方法

こんにちは、フェルクの安保です。

 

本日は「検索広告向けリマーケティング(RLSA:Remarketing lists for search ads)」について、ご紹介します。

 

YahooとGoogleどちらの媒体でも活用できる機能ですが、名称は以下のように異なります。

 

Yahoo:検索広告のサイトリターゲティング機能

Google:検索広告向けリマーケティング

 

本記事では便宜上、Yahoo,Google共通の名称として「検索広告向けリマーケティング(RLSA)」と記載します。

 

RLSAは活用方法の幅が広く、活用できる案件も多い上に、うまく活用することで運用改善も見込める機能です。

 

この記事では概要から具体的な活用方法、設定方法までをご紹介しますので、皆さまの運用の参考になりましたら幸いです。

 

検索広告向けリマーケティング (RLSA)の概要

検索向けリマーケティング (RLSA)とは、サイトを訪問したことがあるユーザーに向けて検索広告をカスタマイズする機能です。

 

例えば、サイト訪問履歴のあるユーザーに対して入札単価を引き上げたり、見込み顧客に対して通常とは別の広告文やランディングページを配信したりすることができます。

 

RLSAを活用することで、CV数の増加やCPAの改善ができるケースも多く、検索型広告の運用においては必須で活用したい機能です。

 

検索広告向けリマーケティング (RLSA)の活用方法

早速ですが、ここからはRLSAの具体的な活用方法をご紹介します。

 

(1)見込み顧客への入札単価の引き上げ

RLSAを活用することで、以下のようにオーディエンスリストごとに入札単価の強弱をつけることが可能です。

 

商品詳細ページを閲覧したユーザー:入札単価 +50%

 

サイト訪問後1週間以上経過したユーザー:入札単価 -30%

 

サンプル商品CVユーザー:入札単価 +100%

 

例えば競合が多く、平均クリック単価の高いキーワードに配信している場合に、見込み顧客に対して掲載順位を上げることができれば、コンバージョンに到達しやすくなることは想像できるかと思います。

 

こちらの見込み顧客への入札の引き上げはRLSAの用途の中で最も使うシーンが多く、私は基本的に運用当初から設定することが多いです。

皆さまも一般キーワードでのCPAが高い場合で、まだRLSAを活用していない場合は設定することをおすすめします。

 

また、リピートしないサービスの場合は、コンバージョンユーザーを除外することもできますので、必要であればあわせて設定すると良いでしょう。

 

(2)新しいキーワードへの配信

運用を進めていくと、「配信量を増やしたいが、設定しているキーワードではこれ以上配信量を増やすことができない」といった状況になることも多いです。

そこで、RLSAをうまく活用することで、今までのキーワードとは異なるアプローチができるケースがあります。

 

例として、女性向けのダイエットサプリ商材を題材に考えてみます。

女性がダイエットを検討するシーンを想像すると、「海やプールに行きたい」「結婚式が控えている」「恋愛に積極的になりたい」といったシーンが考えられます。

 

通常、検索型広告で新規ユーザーに向けて「プール」のキーワードに配信をしたとしてもコンバージョンにはほとんど結びつきません。しかし、サイトに訪問したことのあるユーザーであれば少なからず商材に関心を持ってくれているはずなので、一見「ダイエット」とは関連性の低いキーワードでもCVに結びつくケースがあります。

 

上記はあくまで一例ですが、自分の案件に置き換えて考えていただくと、今までは想定しなかった配信を思いつくこともできるかと思います。

 

また、「部分一致」を活用する場合にもRLSAは効果的です。

部分一致は登録したキーワードに関連する様々な語句に配信が広がるマッチタイプで、予測できない効果的な検索語句に配信されることもあります。しかし、コンバージョンに結びつきづらい検索語句に配信されるケースも多いのが実情です。

 

広告予算に余裕のないアカウントの場合、部分一致の配信により広告費を圧迫してしまうケースもありますので、RLSAで「サイト訪問ユーザー」のみに絞って配信をすることで、新規ユーザーに配信する場合よりもCVRが高くなる傾向にあります。

 

もし部分一致の活用にためらっているようなアカウントがあれば、RLSAとの掛け合わせでの配信を検討してみると良いでしょう。

 

(3)ユーザーごとに広告文、ランディングページを出し分ける

RLSAを活用し、オーディエンスリストごとに広告グループを作成することで、ユーザーごとに異なる広告文やランディングページを表示することが可能です。

 

ビジネスモデルによって効果的な配信方法は異なりますが、以下のような広告の出し分けなどが可能となります。

 

・サンプル購入を行ったユーザーに、期間限定のキャンペーン訴求の広告を配信する

 

・サイトで資料請求を行ったユーザーに、オフラインの無料相談会の広告を配信する

 

・購入履歴のあるユーザー限定に、シークレットセールの広告を配信する

 

皆さまも自分のアカウントではどういった配信が最適かを検討してみると、運用の幅が広がるかと思います。

 

検索広告向けリマーケティング (RLSA)の管理画面での設定手順

ここからは実際の管理画面にて、設定方法をご紹介します。

Google広告の場合

・設定したいキャンペーンまたは広告グループを選択し、「オーディエンス」タブをクリック

 

・「オーディエンスを追加」をクリック

 

Google広告のRLSA設定手順①

 

・「ターゲティング」か「モニタリング」を選択し、任意のリストを選択した上で保存

 

Google広告のRLSA設定手順②

 

以上で設定は完了です。

 

入札の強弱をつけたい場合には「オーディエンス」タブから、リストごとに入札調整比率などを変更することができます。

 

Yahoo!広告の場合

・画面上部の「ツール」から「ターゲットリスト管理」を選択

 

・作成したターゲットリストのチェックボックスにチェックを入れて、「関連付けの設定」をクリック

 

・キャンペーン単位、広告グループ単位のいずれかで配信設定、除外設定を選択

 

Yahoo広告のRLSA設定手順

 

以上で設定は完了です。

 

GoogleとYahooのどちらも複雑な操作はありませんので、ディスプレイのリマーケティング 設定に慣れていれば問題なく設定ができるかと思います。

 

検索広告向けリマーケティング (RLSA)の注意点

ここからはRLSA設定を行う際の注意点をご紹介します。

以下の2つは理解しておくようにしましょう。

 

(1)オーディエンスリストサイズは1,000以上必要

(2)モニタリングとターゲティングの違い

 

それぞれ解説します。

(1)オーディエンスリストサイズは1,000以上必要

作成したオーディエンスリストに「1,000件以上のCookie」が記録されるまでは配信ができません

ディスプレイのリマーケティングの場合は100件以上ですが、RLSAの場合はリスト数がその10倍必要です。

 

もし訪問数が少ないサイトの場合、オーディエンスリストの条件を細かくしすぎてしまうと、そもそも配信自体ができないという状況になってしまうため、リスト作成時には留意しましょう。

 

(2)モニタリングとターゲティングの違い

こちらのモニタリングとターゲティングの違いは、設定ミスをしないためにも必ず把握するようにしましょう。

 

それぞれの用語の説明が以下です。

 

ターゲティング:設定したオーディエンスリストのユーザーのみに広告を配信する機能

 

モニタリング :設定したオーディエンスリストのユーザーか否かで、入札単価調整に強弱をつける機能

 

例えば、【新規ユーザーにも配信しつつ、オーディエンスリストのユーザーには入札単価を+50%にしたい】といった場合には、「モニタリング」にする必要があります。

ここでもし「ターゲティング」を選んでしまった場合、オーディエンスリストのユーザーのみへの配信となり、新規ユーザーに配信されなくなってしまうことで、配信量が急激に減ってしまいます。

 

RLSAの設定に慣れていないと、どちらの設定にすべきか迷うこともありますが、「モニタリングとターゲティングには注意が必要」ということだけ頭に入れておけば、設定の際に調べて対応することができますのでミスはなくなると思います。

 

なお、モニタリングとターゲティングはGoogleでの名称で、Yahooの場合は「ターゲットリストのユーザー」と「全ユーザー」という名称です。

Yahooの方が直感的に意味合いを理解しやすいですね。

 

さいごに

検索広告向けリマーケティング (RLSA)の活用方法と設定方法をご紹介しました。

 

RLSAは運用成果の改善に繋がりやすい機能であるため、仕様や活用方法を理解しておくことで、運用の質や幅が向上します。

 

今まであまり活用してこなかったのであれば、ぜひ活用することをおすすめします。

         

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